赤ワインに含まれる抗酸化素材の筆頭 レスベラトロール

赤ワインのポリフェノールで脳の抗酸化力アップ

よく聞く「ポリフェノール」とは、植物や果物に含まれる抗酸化物質のことを総称する言葉で、その種類は5000種類を超えます。

 

ほとんどの植物に含まれ、水溶性のものが多く、どれも脳内の過酸化物質を抑える抗酸化力に優れています。

 

ワインを作るときには、原料となるブドウや茎などを発酵させ、木製の樽で熟成させますが、この間に各種ポリフェノールが結合や反応を繰り返し、別のポリフェノールもできていくため、ワインの種類によって、含まれるポリフェノールの量や種類は様々で、とても豊富です。

 

原料のブドウでは、ポリフェノールは、大部分が皮と種に含まれるので、同じブドウを原料にしていても、果肉のみを使う白ワインよりも、丸ごとブドウを使う赤ワインのほうが、10倍程度も含有量が多くなります。

 

赤ワインのポリフェノールには女性に嬉しい効果がいっぱい

赤ワインに含まれる主なポリフェノールには、ケルセチン、イソフラボン、タンニンなどがあります。
どれも脳の酸化を防ぎますが、他にも様々な効果があります。

 

イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすると言われていて、女性らしい体型の維持や美白などの美容効果、精神安定効果があります。

 

ケルセチンは脳細胞の物質伝達を強化し、記憶力低下を防ぎます。

 

渋みのもとになるのはタンニンで、殺菌作用、高血圧予防、脂肪分解によるダイエット効果などもあります。

 

ポリフェノールは、熱に強い栄養素なので、お酒が苦手な人も、お料理などで摂取することができます。

 

長寿遺伝子サーチュインを活性化

サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子または長生き遺伝子とも呼ばれる遺伝子で、NHKでも特集が放送されました。
カロリー制限でサーチュインが活性化することが認められていますが、赤ワインに含まれる、レスベラトロールというポリフェノールの摂取でも活性化することが報告されています。

 

このことからレスベラトロールは「長寿ポリフェノール」「長生きポリフェノール」と称されるようになりました。
最近では、サーチュインが活性化して老化を遅延させることから「美魔女ポリフェノール」とも呼ばれています。

 

 

 

フレンチ・パラドックス

 

「フレンチ・パラドックス」とは、フランスが、世界有数の動物性脂肪の消費国であるにもかかわらず、心筋梗塞などの冠動脈性疾患(虚血性心疾患)の死亡率が低いという逆説で、これには赤ワインの予防効果があげられ、中でもレスベラトロールが脚光をあびています。

 

第2のフレンチ・パラドックス

さらには、フランス人は高脂質な食事をしているのに認知症が少ないという、「第2のフレンチ・パラドックス」があります。この現象も、ひとえにレスベラトロールの影響であると考えられています。

 

フランスのボルドー地方で赤ワインの摂取量と認知症の発生率を調べたところ、

 

 ・飲まない  4.9%
 ・250ml未満 5.1%
 ・250ml以上 1.1%

 

と250ml以上飲む人の発症率は、およそ4分の1という結果になりました。
1日におよそグラスワイン2杯以上飲む人は、飲まない人に比べて認知症になりにくいということです。

 

赤ワインをグラス2〜3杯飲むことが推奨されますが、お酒を飲めなかったりする場合は、料理に使用したり、サプリで摂取するなど工夫がいるところです。

 

日本でも名古屋市立大学医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授らの研究グループが、赤ワインを飲むと認知症の予防や改善ができるとの研究発表をしています。

 

それによると、レスベラトロールが胃の知覚神経を刺激して、脳へと伝わることで、短期の記憶や学習機能に関わる「海馬」の神経細胞の機能が改善したり、再生することがわかったそうです。