昆布のぬめり成分とうまみ成分は脳と体に大事な栄養素
昆布には、独特のぬめりがありますが、その成分には、アルギン酸など、天然の水溶性食物繊維が含まれています。
アルギン酸には、塩分を吸着させることで血圧を下げたり、血糖値の抑制やダイエットなどの効果があります。
うまみ成分はグルタミン酸で、脳の神経伝達成分にもなる成分です。
脳の機能を妨げるアンモニアを無毒なグルタミンに変えたり、食塩などの有害元素を体外に排出させる働きもあります。
エネルギー代謝も促進させるので、脳や体の疲労回復にも貢献しています。
昆布の歴史は古く、戦国時代には、「喜ぶ」という語源から、出陣式に用いられていました。
今でも結び昆布などは、お祝いの席に並びます。
酢につけて柔らかくし、糸状に切った「とろろ昆布」、黒酢と調味料で味付けした「酢昆布」、醤油、みりんなどの調味料で煮てから塩をまぶした「塩昆布」など、加工品も豊富です。
おやつ昆布は、噛みごたえがあるので、咀嚼による脳への刺激にもなり、眠気覚ましやリフレッシュ効果があります。
微量栄養素ヨードでいきいき安定した脳に
昆布には、甲状腺ホルモンの主原料となるヨードも豊富に含まれています。
一日に必要な量は0.1g程度と微量ですが、体にはなくてはならないミネラルです。
甲状腺ホルモンは主に細胞の代謝機能や自律神経をコントロールしています。
血中の甲状腺ホルモン不足は、肌荒れ、落ち込みなどの原因になりますので、毎日の食事の中でヨードを適量摂取することは、いきいきとした雰囲気や安定した精神を保つのに必要です。
また、昆布にはミネラルやビタミン、鉄分も多く含まれており、ヨードの代謝機能をさらにスムーズにします。
慢性甲状腺炎、妊娠中など、ヨードの過剰摂取を避けたほうがいい場合もありますので、体調・体質などによって、専門家の指導のもと摂取したい栄養素でもあります。